うなじという友達がいるのだが

うなじとは

うなじと聞いてみなさんは何を思い浮かべるだろうか。

自分のうなじだろうか。

それとも女の子のうなじ?

ポニーテールをした時のうなじが好きで…という男子もいるだろうか。

私はうなじと聞くと、0コンマ0秒である人物を思い浮かべる。

私の友達、というか親友である。

は?なんだそれ、意味わからん、

そう思うのはあなたが非常にまともな感覚を持っている証拠である。

まあタイトルで大体お気づきだろうが、

私には「うなじ」というあだ名の友達がいるのである。

出オチ過ぎてもはやここで終わりたい。

ここで終わりたいが、うなじのことを知らない人達に対して

私は現在、おそらく説明責任が生じているので、泣く泣く説明しよう。

うなじの本名は、

「うなじ」という語感とはまっったく関係のない

一般的な氏名である。

なぜうなじがうなじになったのか、

それはうなじとの出会い、大学一年の頃に遡る。

私は高校の時からずっとダンスがやりたくて、

大学では真っ先にダンス部に入ると決めていた。

4月の終わり、部活見学が始まり、できたばかりの浅ーい友達(仮)

とダンス部に見学に行ったある日。

最後にチラシと入部届け的なやつを受け取る見学会の後半、

髪色は明るいが見た目は地味で、そこそこ気が強そうな女の子がいるなあ、

とぼんやり思った。

あー、この子も入部しそうだなあ。

私とは結構タイプ違うかも。なんか器用そう。ちょっと気強そう。

それがうなじに対して抱いた最初のイメージだった。

今考えるとかなり驚きである。友達は第一印象によらない。

(うなじはめちゃくちゃ人見知りで、気は強くない。

なんでもこなすというよりかは、器用なことと不器用なタイプの落差が激しい。)

そして、私と同じ学部の、先に彼女と仲良くなった女子が

うなじのいいところや特徴を探して何かあだ名をつけようとしていた。

色々探して、

「あれ?うなじ綺麗じゃない?うなじにしようよあだ名!」

ということで、めでたくうなじはうなじとなったのである。

(後で検証したところ、めちゃくちゃ綺麗というよりかは普通のうなじで

これもまたうなじをゼロから説明する時にいいオチとなったが)

今考えると、すげえ変なあだ名である。

「お前へそ綺麗だな!お前今日からへそな!」

「いいアキレス腱してるね!愛ちゃんのことアキレスって呼ぶね!」

「ヒザいい形してない?ヒザって呼んでいい?」

…いや普通そんなあだ名誰もOKしないだろ。

だって、これはやがては

「あ、へそから電話だ」

「ごめんその日はアキレスとランチ行く予定ー」

「ヒザん家まで行く途中でこけてヒザ打ってさー」

というややこしい会話につながって行くのだ。

第三者から見たら謎だらけである。

いいよって言ううなじもうなじだが、

これから先もはやその辺のラッパーより「うなじ」という

パワーネームが周りに認知されることになるとは、

きっと誰も思わなかっただろう。

私もちゃんと仲良くなるまでは、

「え、これは呼んでいいの?本人嫌がってたらダメじゃない?」

と思っていたのでしばらく本名で呼んでいた。

さて、うなじの性格である。

うなじは、笑いに関して、

他者からいじられるまでは効果を発揮しないが、

面白さに気づいた周りがうなじを知り、

やりとりを始めると天才的な面白さを発揮する

という最新型高機能PCのような特性を持っている。

そして食べることが大好きで、

ダンスは非常にセンスがあるが、

観察力はあるのに他者に対して攻撃性が皆無なので、

無意識にストレスを受けて

虚無になることがある。

基本正直で嘘がつけない。

よく噛む。すごく噛む。

自分はこれができない、という不器用マインドを隠さず、

周りに教えて欲しいと言える。

そうやって周りがうなじの面白さに気づき、

徐々にうなじに何かをしてあげようと

人が集まり始める。そう、うなじは人気者である。

タイトルだけの出オチでここまで長くなるとは思わなかったが、

へえ〜人の友達ってこんな感じなんだ、と思っていただければ

それで満足である。みなさん台風にお気をつけあれ。

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