クラブ店員時代のエピソード②

ピンチのエピソードその1

さて、クラブ店員時代のエピソード①

前回からの続きである。

私が入った当初、

当時のオーナー(後に逮捕されるのだが)は

なかなかに黒い人で、その筋の方々との

付き合いももちろんあった。

真昼間からうちの店で系列の組の方々の

宴会が行われる、という、

学生バイトにとっては恐怖極まりない、

生まれたての小鹿になる場面もわりとあった

(今はもちろんそういった宴会はやっていない)。

当時、私は店に入りたての時期に

その宴会に出勤になり、

もちろんペーペーの私は組のどちらかと言うと

下っ端(失礼)の方のテーブル担当になったのだが、

若頭がご到着される前に、

組の人たちがスタンバっている席に

瓶ビールを持っていったのだが、

テーブルでビールをこぼしてしまい、

高速で謝ろうとしたら、

0コンマ2秒ぐらいで

当時の副店長が飛んできて(ボルトよりはやい)、

事の重大さをどっしりと感じながら

一緒に謝った記憶がある。

その時の組員さんは、

若い女の子だから逆にウェルカムだよ~!

などと言ってくれ、

こちらは内心ホッとしたが、

その時は割と人生最大のピンチだと

思ったものである。

ちなみに後で店長(副店長)に聞いた話によると、

店長は店長でピンチだったらしい。

その時のフードの一つで、

キノコのクリームパスタ

を出す予定で準備していたのだが、

フードをすでに出し始めている最中で

若頭はキノコが食べられない

という衝撃の事実が発覚し、

変えてくれるよな?という兄貴分と

もう人数分作ったんだから、

今更追加なんてしねえぞ!

というキッチンのシェフとの

板挟みになり、

事件は現場で起こってんだ!(青島)

ぐらいの半ば命を懸けた必死の訴えにより、

何とかシェフを説得し、

別のパスタを作って出し終えたという

あまり笑えないエピソードである。

社会勉強としてもこの時は

なかなか面白い場面はたくさんあった。

(二度とやりたくはないが)

例えば普通の会社の宴会などでは、

社長が最後に入ってきたら、

だいたい社員は立って

「お疲れ様です!」などと声掛けして

迎える、というのが定型だと思うが、

組の方々は直立に手をグーにして膝に当て、

若頭到着の報告が入ってから

若頭が入ってくるまでは

死ぬほど緊張感を漂わせ、

入場時にはやや猫背で頭を下げ、

「ご苦労様です」

と皆で示し合わせたかのように

同時に挨拶をしていて、

「うわあ、TVと一緒だ…」

と思ったのをよく覚えている。

次のエピソードに続く!

クラブ店員時代のエピソード③

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