バイトシリーズ①~巫女さん編

 

開幕

そういえば人のバイト経験聞くのって

ちょっと面白いことない?

ということで、今回から私が今まで

やってきたバイトシリーズを

つらつらと書いていこうと思うわよ!!

多分忘れていることとか抜けてることは

ないとは思うのだが、

私の性質上、どうでもいいことを

マジで覚えてなくて、すごい良かったことと、

すごいつらかったことしか覚えてないので、

もし私の過去を知っててこのバイト

なんか言ってたことなかった?

というものがあったらちょっと教えてたもれ。

というわけで、初回は私が人生で初めて

やったアルバイト、巫女さんのバイトについて

書いていくわよ。

巫女とはいっても

そう、巫女とは言っても、

神社の巫女さんではない。

「結婚式場(神前式)で新郎新婦をリードする巫女」

というちょっとニッチで面白い巫女さんであった。

これは大学のダンス部の先輩(部長)がやっていて、

ぜひとも!と紹介してもらったバイトであった。

皆さんは結婚式というと、

教会のチャペルを想像すると思うが、

和風の結婚式を挙げるカップルも

意外と世の中には多いのである。

日本庭園のきれいなロケーションの中、

和服を着たカップルを巫女二人で挟み、

カタツムリ以上C-3PO未満ぐらいの

宇宙遊泳のようなおっそい足どりで

二人を祭壇の前に連れていき、

神主さんに

「こいつら結婚するんで!よろしく!」

という内容の詔(みことのり)を

あげてもらい、指輪を交換して、

三々九度の御神酒を二人にぐびぐびと飲ませ、

「結婚したんで!頼むよ神!このとおり!」

という詔を神主さんに唱えてもらい、

あとはお辞儀をするタイミングを

マイクで発声してペコリペコリしていたら

あらもう終了、という短い式である。

大体1本30分ぐらいであった。

我々巫女さんは

式場に来たら袴に着替え、

髪を整え、今日の予定を確認する。

2人1組で動き、

現場の祭壇の上に乗せる御神酒や

お供え物の準備をしたら、

式に立ち会う一同を会場に招き入れる。

控室で緊張の面持ちで待っている

新郎新婦のもとに神主さんと一緒に向かい、

挨拶と式の流れをさっくり説明し、

よくある雅楽の「プァァ~ン」

というアレが流れてきたら二人を促し、

さあさあ式の始まり、という流れであった。

終わったら祭壇の片づけと、

次の式があるときは次の式の準備をし、

また新郎新婦のもとへ、という意外と

あっさりしたスケジューリングであった。

うらばなし

私はたぶん半年いかないぐらいかな?

やっていたのだが、

このバイトは約30分の労働(1本)で

3000円もらえる上に、

お昼を挟むときはお弁当も出る

という学生にはおいしいバイトであった。

ただ、その日の式が何本入っているかは

わからないので、入る日によって

当たりはずれがあること、あとは

さすがに処女であることなんて求められないが、

髪の毛は黒い状態でないといけない、

という決まりがあったので、

(ウィッグも可ではあったけど)

せっかく大学に入ったんだし、

茶髪にしたい!!という私は早々に

そのバイトをリタイアしてしまった。

あと、人様の結婚式に関わるのだ、

ミスをしてはいけない…という緊張感が

すごくて汗が止まらなかった。

(そのあと入ったクラブでも結婚式の二次会を

 やるので似たような汗はかいたけど)

でも袴をはく経験は中々ないので、

袴をはけるという経験、

あとは結婚式というものに対する耐性は

割とついた。これはよかったと思う。

お着物を着たカップルのあるあるで、

帯で体を締め付けるので、

指輪の交換の時に指がむくんで入らない、

あれ、全然入らない、にぎぎ…という

ほほえましい現象がよく見られた。

お着物で指輪交換をしたいカップルは

お気をつけあれ。

ネック

さて、聞いたところネックらしいネックは

見当たらないじゃないか、

このバイトは中々よさそうだ、と思った

方もいるだろう。

そう、これはマジで手放しでおすすめできるバイト

なのだが、私にとって

どうしてもネックになってしまう 

要素が一つだけあった。

それは、神主のお辞儀問題であった。

お辞儀の何が問題なんだ?

と思うであろう。そうだ。

別に普通の人にとってみたら全くの

モーマンタイなのである。

大体その式場に来る神主さんは

2人いて、若いほうとじいちゃんの2人

のどっちかがローテーションでやってくるの

であるが、この若いほうの神主さんが

ものすごいきれいなお辞儀をするのである。

ものすごいきれいに体を直角にするのである。

なんかその方法が古式ゆかしいとか

宗派で違うみたいな話を昔聞いたことがあるが、

問題は、

きれいすぎて面白い動きになっている

ということであった。

じいちゃんのほうの神主さんはさすがに

腰を大事にしていたようだ。

これは見た人でも「フフッ…!」

と笑いを漏らすものと、

まったくなんとも思わないものの2種類いて、

間違いなく私はごく少数しかいない

前者のほうであった。

これは実は毎回ちょっと困っていた。

なにせ神前式において、

助演男優賞の神主さんは

昔のガラケーかと思うぐらい

頻繁にお辞儀をパカパカやるのである。

その本人のキャラも、眼鏡で細かくねちっこい、

じめじめ陰湿神経質タイプだったので、

(大悪口)余計に笑いづらく、

たまに大技決まったみたいに完璧に

おもろい角度になったときは

私は鼻をヒクヒクさせながら悲しい顔で

必死に笑いをこらえていた。

まあこれはチャペルバージョンでもある。

カタコトの日本語の神父さんの

ヤメルトキモー問題と同じである。

意外と結婚式場の裏側はこんなもん、

ということで、第一回目をお送りした。

次回に続く!!

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