お水の話
さて、今回はお水の話である。
正直リアルさとえげつなさで、
読むのがしんどいと思うので、
心が弱っている方にはオススメしない。笑
私は通算すると、20歳ぐらいから
6年半ぐらい水商売の店で働いていた。
大学時代は地方都市のクラブ、
東京に来てからは千葉にあるパブクラブ、
そして銀座でホステスをやっていた。
大学時代は私はバリバリ留年していたので、
学費を捻出するのになかなか
クラブ店員(踊る方)の
安い時給では効率よく稼げなかったのである。
この大学時代に、ある程度のノウハウや
こんなもんか、というコツは学んだ。
今考えると無駄なことばっかりしていたが。笑
さて、今現在それ関係の仕事に関わる方々に
真正面から喧嘩を売ってしまいそうなのだが、
これから書くことに関しては、
決して攻撃するつもりはなく、
私の場合はたまたまそうだったというだけ、
というのを心して読んでいただきたい。
正直ベースで言ってしまうと、
私はホステスをやっていて
心から楽しい!!と思えたり、
仕事してるなあ自分、偉いなと思えたり、
給料をもらって真っ当な嬉しさをかみしめたり、
人間的に成長できたり、
自分のためになったなあ、
ということは、今までほとんどない。
あ、ちょっと語弊があった。すんません。
少しはあったのだが、
お客さんとのやりとりとの中では
見つけられないぐらいわずかなもので、
それ以上に心が疲弊しすぎて、プラマイすると
完全にマイナス、ということばかりだった。
もちろん良くしてもらった方々には
お客さんにもお店の人にも、
鬼のような感謝をしているし、
返せるものは返しているが、
その人たちとでさえ、これから先の未来、
関わっていきたいとはあまり思わない。
仕事をしている最中は、
どちらかというと、人間の生き様を
側から見ている上で、
こんな人間もいるんだ、とか、
こんなおっさんが何で金持ってんだろう、
とか、こんな子がなんでこうなんだろう…
みたいな人間観察のネタは山のようにあったので
社会の一端を垣間見るという
勉強にはなったかもしれない。
「なにを消費するか」ということ
さて、皆さんは仕事や作業をしている時、
何かを「消費している」
と感じることはあるだろうか。
基本的には何をやっていても
『時間』は消費するのであるが、
例えば肉体作業をすると
「体力」を消費するし、
PCでじっと作業をすると
「集中力」を消費していると感じる。
でも、自分の「尊厳」を失った、
と思う瞬間はあまりないのではないだろうか?
私は対人の仕事が多かったので、
様々な仕事をしてきた、
といってもジャンルに偏りはある。
が、それぞれの仕事の中で、水商売に関しては、
自分の中で説明しがたい『消耗感』があった。
この言語化できない『消耗感』に関して、
とても似てるわあ、となった例がある。
〜ウェイとか〜ウェーブとか
私は2ちゃんねるの
まとめサイトをよく見るのだが、
ネットワークビジネスについての体験スレまとめで
めちゃくちゃ秀逸なレスを発見したことがある。
多くの金融漫画やウシジマくんなどの、
社会構造ぶった切り血も涙もない真実系漫画を
読んでいてもわかることではあるが、
ネットワークビジネスは
何を元手にして稼いでいるのか?
そもそも元手はいらないのでは?
という疑問をうっすらと持ちながらスレを読む読者に、
気持ちいいぐらい以下のレスをぶん投げる。
不動産から収入得るには元手がいるんや
じゃあ持たざる若者は
結局はそいつが月々稼いでる元手と
それを差し出して初めて
決して誰も勧誘の時には
☝︎ここから元サイトに飛べるよん
そんなこと誰も教えてくれなかったけど、
言語化されてみると、
なるほどネットワークビジネスを勧めてくる
人達が言うことに対して抱く胡散臭さとか、
謎の不信感を抱くのに納得がいく。
水商売は誰もが知る職業であり、
歴史もそれなりにある。
メディアに取り上げられやすい職業でもある。
でも、実際皆さんが目にするのは、
やっている夜の女たちの「あるある系生態」や、
メディアでの「美学」や「仕事道」
ばかりではないかと思う。
ホストでもある面同じだ。
だいたい取り上げられるのはNO.1ホストの
伝説や、ROLANDなどのネタになる人物ばかりだ。
Twitterめっちゃおもろいよね
実際、今夜も店にドレスを着て出ているのは、
あなたの会社にも自然に溶け込むような、
よく見ると綺麗だったり、
普通だけどしっかり仕事をしている、
そういうごく普通の女たちなのだ。
彼女たちは、毎日ひっそりと
めっちゃ頑張りながら仕事をしている。
銀座でもWワークや派遣で働く女の子たちが
今やほとんどである。
そもそも
さて、ここで水商売そのものの話に戻るが、
水商売とは、そもそもどういう仕事なのか、
ということである。
夜の店にやってくる男性は、
「お金を払って、女性と飲みにくる」
というお客さんたちである。
まあこれは上辺の話である。
実際にやっていると、そういう綺麗な目的のお客さんは
全体の2%ぐらいである。銀座でも、千葉でもだ。
実際は、
「高い金を払うんだから、綺麗な女かやれる女、
好みの女と酒を飲み、いい気持ちにさせてほしい、
最終的にはセックスしたい」
これがほぼ大半の「客のマインド」だ。
この客のマインドの中で、
めんどくさい点は簡単に言って2つある。
1つは、
「セックスしたい男を上手くかわす」、
そして2つ目は
「相手のエゴを満たす」
以上である。
おそらく男性諸君にポピュラーなのは
1つ目の方であろう。
やりたい客とやらせないホステスの
駆け引きはこの仕事の命題である。
が、命題であるが上に、
それぞれの女たちのスタンスは、
この世界に足を突っ込んだ時点で
ある程度決まっている。
やらせる女はやらせるし、
あなたに惚れた女なら肩書きは関係なくなる。
やらせない女は否が応でもやらせない。
わかりやすいのである。
だが、2つ目、「相手のエゴを満たす」、
一般的には「ホスピタリティ」などと
ほざかれているこのトピックに関しては、
ほぼ経験者全てがストレスの元とする。
が、ホステスの美学は沈黙という風潮によって
語られないことが多い。
最近になって、ようやくTwitterで
#クソ客のいる生活
https://twitter.com/hashtag/クソ客のいる生活
などというハッシュタグが流行り、
キャバ嬢や風俗嬢たちが
ありえない「くそおじさん」
たちとのやりとりを明かすようになったが、
これまで、ほとんどの女は黙って
ストレスを個人個人で流してきた。
何を消費してきたか
さて、それでは相手のエゴを満たす、
これのどこがストレスなんだ?
そう思う人に悲しい話をしよう。
以前にツイッターで、
ある男性のこんなツイートが回ってきた。
https://twitter.com/masashiomuro/status/1155837105811025920
☝︎引用元
このNO.1キャバ嬢は、この客を
帰りの送りの車の中で「バーカwww」
と笑っていたであろうと同時に、
「女を卑下することでしか満たされない」
男のエゴを満たしたのだ。
こういうタイプの客は星の数ほど存在する。
「ホステスなんかやっているお前に、
俺が世の中をありがたく説教、
Like a 坊主おじさん」、
「何も知らないお前に、
俺が新たな世界を教えよう、
勝手に師匠おじさん」、
「ホステスならもっと〜しろ!
お前は父親かおじさん」、
「勝手にこちらの採点してくる
セルフDAMおじさん」
など、世の中には自分のクソみたいな
エゴをオナニーしながら押し付けてくる
クソおじさんたちが星の数ほどいるのである。
もちろんストレートに、
女の子の容姿や気に入らない点を
その場で罵倒して、女の子が
泣きそうになっているところを見て
初めて喜ぶというクソジジイもいる。
要は、
きちんとしたコミュニケーション
を経ることなく、
相手の尊厳を無視し、一方的に
自分の人間的な未熟な部分を
顧みることなく満たされたい、
ということであり、
わかりやすく言えば、
「自分の未熟さなんて誰が見るかよ、
そんな気持ちよくないこと、
金払うんだからレイプされても
気持ちよさそうにしろよ」
ということと同一なのである。
言語化するとえげつない。笑
やってから言え
それはちょっと違うんじゃない?
という人は、
ぜひホステスかホストをやって見るといい。
「お前みたいなオッサン(ブス)に
誰が酒なんかおごるかよ!笑」
「え、自分で向いてるって
思ってやってんの?笑」
「鏡見なよ!!それか
眼科行ってこいって!!笑」
という暴言を、お前の方が鏡見ろよ、という
クソみたいな客から言われて初めて気付く。
ちなみに人間として怒るのは普通のことだ。
でもホスト(ホステス)として怒ってしまうのは
完全なる負けを意味する。
そんな客もお客さんであり、
そいつが気持ちよくなるように
どう返すか、考えるところから
あなたの本当の『仕事』が始まる。
「ああ、自分は一方的に消費される側なんだ」
という真実を、酒でごまかせる猛者、
誰に何言われても平気な自信家、
金のことだけ考えられる器用な人間、
こういう人たちのみ乗り越えて、
お金を稼ぎ、残っていくことができる。
もちろんそんな客ばかりではない。
自分の好きなトピックの話を、ただうんうんって
聞いてほしいだけのかわいいおじさんや、
君自身はどう思う?という問いを
たくさん投げかけて、
高尚な議論をしてくれるおじさん、
みんなかわいいからボトル入れちゃおう!!
というハッピーおじさんもいる。
ホステスにとってのやりがいは、
嫌なおじさんを喜ばせたときの
優越感を隠した複雑な達成感と、
逆にこういういい人たちを接客して
お互いに楽しくなれたwin−winの
綺麗な達成感、
数打って売り上げを作った時の
数字的な達成感の3つである。
最後に
女は簡単に病む、と言われる。
夜の商売をしている女や、
風俗嬢はなおさら、
すぐに病むイメージがある。
実際にそういう傾向はあるだろう。
単なる知性や学力のあるなしに
関わらず、彼女たちはすぐに病む。
でも、その裏側に、
自分が消耗していることを見ないふりして、
じっと耐える状況があったり、
そんな女たちを汚い足で
踏み潰していることに気づかず、
精神的な成長をガキの頃から止めてしまった
哀れなオッサンたち、
ジェンダー的にも完全に取り残されていく
本当に哀れなオッサン予備軍が
世の中に排出されていることは
まぎれもない事実である。
戦うのに疲れた女たちを、
それでもなお叩きたい男たち、
そんな人たちが早く世の中から
消えてくれることを願うばかりである。
終わり!