葉状腫瘍になった話〜診察から検査行脚編

さて、この受診に至る決意を持つまでにはもちろん,

ジリジリと大きくなる腫瘍の主張と痛み、

現実的にクッソ不便な毎日がのしかかったのが大きいわけだが、

実はできるだけ干渉しないようにしていた親に腫瘍のことをカミングアウトしたことも

今回それなりに大きな理由になった。

このブログを隅から隅まで読んだような変態さんたちには

私が親に対してどのようなマインドでいるかというのは自明だと思うが、

基本的に親は私と同じ目線でのコミュニケーションができない、

人間として尊重するのは絶対に無理、あんたは一生子供というのが

ベースにあるため、母と何かのやり取りをしていた時、

好意でようわからん要らんものをくれようとしていた彼女に無性に腹が立ち、

「こっちが今どんな状況でどんな気持ちでどんな毎日を過ごしているのかも

ろくに確認できねえコミュニケーション不全のくせに、

立派に親面して心配するフリして自己満足してんじゃねえ、こっちは片乳がなくなるんだよ!

(なくなっても弟の体錬成できるわけじゃねえんだぞ!)」

という旨を思わずぶつけてしまったのである。ラインで。

没交渉を心がけていたのだがやはりたまに感情的になることあるよね。ムカつくとさ。

で、言ってしまうと母は母モード全開になってしまった。

もともと前夫を若くして癌で失っている。

病気の我が子を全力で治すべく、あの時の悟空のように

ちょっと空気が読めないスーパーサイヤ人になってしまった。

ああしまった、とは思ったが、

結果的に見てみれば入院中のサポートなどをしてくれたり、

自分と主治医以外の第3者的なポジションの人間が病院との時間軸に加わることで、

自分の身体をおざなりにするとか、治療の不明点を放っておくという

”どうせ自分の身体だしいいや”という甘えが減ったのは大きかった。

そういうのが無い方が治療は早く進む。

あとこれは悲しい現実なのだが、

自分以外の人間が病院側と関わることは、ある意味病院に対しての保険みたいなもので、

誰のサポートや保証もない患者に対しては

病院は決してあたたかくはないと今回うっすら悟った。

(シングルが増えている今の社会構造でこれからどうすんのかねとは思ったが)

で、ここからは大きい病院にかかるということが未経験の方や、

細かいことが知りたいと思っている人が読むことを想定して詳細に書いていく。

  • まずは予約の電話

手術が可能な大きい病院などは紹介状があっても

基本初診の予約が取れるのは電話をしてから1ヶ月後とかそのぐらいである。

外来がオープンしているのは大抵平日の朝〜夕方16時程度ぐらいで、

仕事帰りや土日に近所の歯医者に行くノリでは無理なので

有休など使って休みを取る覚悟をしよう。

  • 初診

初診当日は紹介状や画像などのデータ、保険証やある程度のお金等の必要な持ち物はあるが、

個人的に持って行くといいと思ったのは

雑学や哲学や人文系の「面白すぎない本」「読み慣れた本」と「メモ、ペン」である。

まず基本的に待ち時間で映画1本分ぐらいは覚悟したほうがいい。

その間、自分が呼ばれるまでに明らかに時間があるとわかっていても、

人間というのは目の前のコンテンツに集中できるほど不安に強くはない。

そういう時、動画などの音が出るものは呼ばれた時に分かりづらいし電池を食うので、

たとえ充電器があっても、携帯をいじるよりは本を読むほうが私は落ち着いていられた。

目で順当に終える程度には読ませるが決して面白すぎない本とか、

何度も読んでボロボロになった文庫本とか、そういう本が役に立った。

(私はインド哲学へのいざないという仏教の本と

 山田詠美の『僕は勉強ができない』を持っていった)

先生と初診で話すことは、まず病状説明と触診などでの現状把握のすり合わせである。

(治療方針はざっくりはあるが、検査を経て確実にデータを出してから決まる。

普段医療に素人の人間がただ聞いているだけだと、治療の骨組みは理解できても

細かい肉付けまでは覚えられず、それが帰宅後不安になったりする。

手術までは主治医と話すときは基本メモをとると抜けが少ない。)

大抵はそのまま検査に回されるので検査行脚になるはずだ。

私も再びの針生検でこわい…痛い…とおびえていたが、

最初のクリニックより全然痛くなくてよかった!とおもった。

でも5ヶ所ぐらい穴をあけたので、そのあとなかなか血が止まらなくて、

担当医の先生は眉をひそめたまま大量にガーゼで止血をし続けてくれた。

ごめんね。私の血小板が少ないせいで…と思った。

ちなみに「◯階で血液検査して、そのあと◯階のどこどこでレントゲンとって、、、」

みたいな指示を書類付きで出されたりするのだが、最終的にどこに戻ってくるの?みたいな

基本的なことを医者も伝え忘れていることがある。

病院のスタッフに聞けばもちろん教えてくれるのだが、

大きい病院はシステム化されていて機械認証が必要だったりする。

わからないと聞くためにフロアの案内窓口の行列に並ぶなんてこともあるので、

自分でメモってどういう動きをするか把握しておくとスムーズに進むので早く帰れるよ。

この日ちょっと感動したのは、私は都内でも割と有名な病院にかかったのだが、

血液検査のフロアの担当の方の採血がマジで世界一上手かったことだ。

思わず「すごい!!今までで一番痛くないっ!!」と

口走ってしまった。やってくれた女性はくしゃっと笑っていた。

待ちの人たちの(俺もぜひあの人に…)という趣旨の視線を背中に少しだけ感じた。

そのほかの検査は普通だった。マンモもまたとったけど、

やはり片乳撮るごとに膝に手をついてハアハアするぐらいきつかった。

持久走完走後のポーズが一番痛みに耐えやすい。

血液検査やレントゲンなどの簡単な検査、針生検など当日にできる検査と、

MRIなど、都内ではなかなか空きがないので別日や別施設で行う検査があるので、

初診の当日は当日わかることのみやざっくりした方針を伝えられて、

別日分の検査予約や次回再診の予約をして終了である。

初診は保険込みで私は大体1万7千円程度のお会計であった。

(最後に金額まとめるので気になった方は最後まで読んでね)

  • MRI

私の場合は造影剤を流してMRIを取る必要があったので、

1週間後に都内の別の施設でMRIを取りに行った(これは土日OKだった)。

病院とは別の施設だったので、ここでも医師の問診と看護士さんからの説明、

着替えや注意事項の再確認などがある。

(ちなみに都内にMRIのみの施設がいっぱいあったよ。)

金属製のものは身につけないのだが、造影剤の注射針も金属製でない曲がるもので、

すごいなあハイテクー!と思ったのだが何気に

カラコンやマグネットのジェルネイルなどもNGなので、

いっぱい中を見たい人はクリアなコンタクトか

直前までメガネをつけて行くといいかもしれない。

MRIは撮ったことがある人はわかるのだが、想像していたより30倍ぐらいうるさい。

ヘッドホンをつけてくれるのだが、工事現場のような

カンカンカン!とかガンガンガン!ゴンゴンゴン!みたいな

多種多様な騒音が耳元で展開されているような感覚で、

クラブで耳をやられている私でもこれはうるせえ・・・きついと思ったほどだ。

そして微動だにせずじっとしていなければならないので、

多動の人やじっとしているのが苦手な人は相当苦労すると思う。

寝そうになって動くのもNGである。

私は胸だけの部分MRIだったが、うつ伏せになって乳だけが出るように

むぎゅむぎゅ乳を調整され、マッサージ屋さんのあのベッドみたいに丸くくり抜いた

台座から顔と乳だけ出して、うっすらとホコリをかぶった機械の

ぼんやり見える下のほうのの部品や床を眺めていた。

側から見ると面白い画なんだろうな…写真撮ってくれないかな…音うるせえな…

などと思っているうちに終わった。体感だと1時間ぐらいかな。

実際は30分程度だと思うが、予備知識がなかったのでとても長く感じた。

終わってお会計が意外と1万ぐらいしたので、MRIの相場がわからない人は参考にしてね。

(これも保険適用ではあるけどそのぐらいはした、

別施設なので病院への資料の送付料で700円ぐらいかかるよちなみに)

私は間違えてカラコンをつけて行ってしまったので、

コンタクトセットなるものを購入して数百円ぐらいプラスでかかった。

次回の再診~入院準備編につづく!

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