タコの恩返し

今回はなんと!!

昔父がしてくれた寝物語を紹介するという、

マジで本当に中身がない話となっているので、

トイレをしながらとか、

どうしても暇をつぶしたいときなど、

鼻をほじりながらみてほしい。

くだらなさの極み乙女である。

タイトルはタイトルの通り、

『タコの恩返し』である。

もう想像つく方もいるかもしれんが、

ほんとに想像されている通りである。

昔々の

私がアラサン(3歳ぐらい)のころ、

よく父が寝かしつけをしてくれていた。

父は基本的に話がくだらない上に、

喋り好きなので、毎日消費生産する

寝かしつけテラーにはぴったりだったのである。

ただ父は寝つきが死ぬほどいいので、

寝かしつけをするはずが、

自分が先に寝てしまうという、

ミイラ取りがミイラというわかりやすいオチを

毎日くり広げることになっていたのを

よーーーく覚えている。

母曰く、

「むかしあんたが、お父さんに寝かしつけ

されたと思ったら、20分後ぐらいに

寝室からトコトコトコって歩いてきて、

『寝かした。』ってよく言ってたのよ」

とのことである。私もはっきりと記憶がある。

私は当時、あらかたの童話や

昔話系はほぼコンプリートしていたので、

もちろん桃太郎や浦島太郎などを

今更話してもらったところで、

面白さを感じるわけもなく、

毎夜クリエイティブなお話を

父にせがみ続けた結果、

苦肉の策で誕生したのが

「ハイブリッド昔話」なるものであった。

どんなものがあったかなんぞもはや

記憶のかなたではあるが、

1つ印象的で覚えているものをご紹介しよう。

タコの恩返し

昔々、ある村にお寺がありましたとな。

そこには、小僧さんと和尚さんが住んでいました。

ある日、小僧さんが海に散歩に出かけると、

浜辺でタコがいじめられているのを見かけました。

かわいそうに思った小僧さんは、

「こら!やめろ!」

そういってタコを助けてあげました。

タコは足をくねらせて喜び、

小僧さんに吸盤で吸いつきました。

「いてて!やめろ!!」

小僧さんはタコを引っぺがし、

タコに別れを告げ、その場を立ち去りました。

その夜、小僧さんが寝る支度をしていると、

扉を「ドンドンドン!!ドンドド!!」

と激しくたたく音が聞こえます。

小僧さんが恐る恐る出てみると、

そこにはとてもきれいな女性が

立っていました。

ただ、彼女の頭はつるっぱげでした。

尼さんなのでしょうか。

彼女は小僧さんに

「一晩、泊めていただけないでしょうか

と頼んできます。小僧さんは、

彼女を泊めてあげることにしました。

ところが、寝る前になって、

彼女は小僧さんに、

「この扉は絶対に開けてはいけません

と言ってきました。

小僧さんは不審に思いながらも、

了承し、眠りにつきました。

ところが、しばらくすると、

例のつるっぱげの尼さんが

寝ているはずの部屋から

すごい音がしてくるのです。

「トントンカラリ!トンカラリ!!

トントンカラリ!トンカラリ!!」

小僧さんはびっくりして飛び起きました。

でも開けてはいけないと言われたので、

気になりつつもそのまま朝を迎えました。

朝になると、彼女は小僧さんに

「これをどうぞ

と何か濡れたものを差し出しました。

それは布のようなのですが、

やたらと湿っぽく、

やたらと肌に吸い付くような

気持ち悪い感触の布でした。

彼女は次の日の夜も、開けないように、

とくぎを刺して、部屋に閉じこもりました。

そうするとまた、

「トントンカラリ!トンカラリ!!

トントンカラリ!トンカラリ!!」

とすごい音がしてきます。

絶対に開けてはいけない、と言われたものの、

やはりこの音は確かめなければ…と思い、

小僧さんは思い切って戸を開けました。

すると、なんと!!そこには!!

タコがすごい勢いで、はた織りをしていたのです!

足がたくさんあるので、

はたを織るスピードが凄まじく、

「トントンカラリ!トンカラリ!!

トントンカラリ!トンカラリ!!」

という激しい音を立てていたのです。

小僧さんはびっくりして、思わずワっ!と

声を上げてしまいました。

すると、タコは、

「みーいいたなああーーー?!」

と叫び、小僧さんに襲い掛かってきました。

小僧さんは思わず

「ヒッ!!!」

と叫び腰を抜かしかけましたが、

懸命に逃げました。

外に逃げましたが、

つるっぱげのタコの尼さんは足が多いので、

すごい勢いで追ってきます。

小僧さんは懐からお札を出して言いました、

「おおきい山、でろ!!!」

すると後ろに大きな山がドーーーン!!

とあらわれました。

しかしつるっぱげの尼さんのタコは

たくさんある足を使って山を駆け上がり、

「なんだこったら山!なんだこったら山!」

とすごい勢いで追いかけてきます。

小僧さんはまたお札を出して言いました、

「おおきい川、でろ!!!」

すると後ろに広ーーーい川が

ザアーーーーーーっとあらわれました。

しかしタコのつるっぱげの尼さんは

またもやたくさんある足を使って、

華麗に泳ぎ(水場はホームである)、

「なんだこったら川!なんだこったら川!」

とすごい勢いで追いかけてきます。

よもや追いつかれそう!!

小僧さんはお寺に駆け込み、

「和尚さんたすけてけろ!!」

と頼み込み、大きな壺の中に隠れました。

和尚さんはちょうど火鉢にあたって

暖を取っていました。

そこにすごい勢いで

タコの尼さんのつるっぱげが飛び込んできて

和尚さんに聞きました。

「ここに小僧はこなかったかえ?」

「いやあ~見てねえなあ。まあここ座れ。」

ふん、と疑いの目を向けながら、

つるっぱげのタコの尼さんは、

和尚さんと向かい合って座りました。

「わしと技くらべをしてみんか?」

「技くらべかえ?」

「勝ったら小僧のありかを教えちゃる。」

とまあそういうことになり、

和尚はタコの尼さんのつるっぱげに

「お前さん、大きくなることはできるかのう?」

と尋ねました。

そうすると、つるっぱげは

「たかずく たかずく たかずくよ~」

と唱えながら、

それは大ーーきな入道になりました。

「おおーこれはすごい!!

じゃがお前さん、

小さくなることはできんじゃろう?」

とあおりますと、

つるっぱげはまた唱え始めました。

「ひくずく ひくずく ひくずくよ~」

そして、なんと親指ほどの

小ささまで縮んでしまいました。

そうすると、和尚さんは、

「これはちょうどいい!」

とその時焼いていた火鉢に鉄板をのせ、

ジューーッ!!とタネを焼き、

そのままつるっぱげの尼さんのタコを

タネで包んでタコ焼きにして

パクッ!!と食べてしまいました。

小僧さんはようやく壺から出てきましたが、

「あーーんおらもタコ焼きたべたがったあ」

と嘆いたそうな。

元ネタはね

いやーー結構長かった。

以上が父による「タコの恩返し」なのであるが、

私も完璧には覚えてないので、

細かいところは脚色したが、

あらすじはほぼこれである。

何個か昔話をぐちゃっと混ぜた

だけなのであるが、ベースは

『3枚のお札』である。

それに、最初の入りはちょっとだけ

浦島太郎要素を取り入れたが、

その後の展開までは完全に

『鶴の恩返し』である。

父が適当に考えた設定に、

昔話の型をあて込んだだけなのであるが、

多分父はつるっぱげの人物を

登場させたかっただけのような気がしてならない。

本当に今回はこれだけなのである。

すみません。

まあそのついでと言っては何だが、

どうせならその当時私が気に入っていた

絵本たちを紹介する。

地獄のそうべえ

ガラガラドン

すてきな3にんぐみ

京の絵本シリーズ

(安寿と厨子王、酒呑童子などは

絵も怖くて最高である。)

おわり!

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