不倫には本当に救いがないのかという話

全てが泥沼に続く道?

さて、今回はちょっと珍しいというか、

イレギュラーなこともあるんだぜ、

という私の見てきた事例を

ご報告しようと思うぜよ。

掲題通り、そのまま不倫の話である。

まあ皆さんはかねがねご存じの通り、

不倫の95%ぐらいは未来が無い、

もしくは誰かを犠牲にしてしまう、

というのが通説と思っているだろう。

まあ実際はそうだ。

登場人物の誰かしらに悪意があれど、

もしくはなかろうと、

現在結婚している状態の誰かと恋愛すること

そのものが今の日本ではかなり

リスキーな行為と言える。

恋愛は本当に一筋縄ではいかないし、

気持ちというものは世の中でニトログリセリンに

次ぐレベルで扱いが困難である。

Wikipedia:ニトログリセリン

やっちまった、止められない、

始まっちまった、まあ事情は人それぞれあれど、

大体共通して後々問題になってくるのは

「金」と「権利」である。

子供がいれば尚更だ。

世の中にあふれる大抵のドラマや不倫の物語は

基本的には不倫した方のハッピーエンドで

終わることはまずない。

表向きは勧善懲悪やモラルを大事にする

というのがメディアの一応の建前だ。

お客さんA

さて、私が何年か前に、

千葉の半分スナックみたいなクラブで

ホステスをやっていた時、

「ちょっと難しい客」として有名な

常連のAさんというお客さんがいた。

Aさんは会社経営者で、

もちろんお金はある人だったが、

そばについた女の子が気に入らないと完全に無視、

一言もしゃべらないというタイプのお客さんで、

新人泣かせとして、お店では有名な常連だった。

私は最初その情報を全く知らず、

チーママに「とりあえず付いてみてくれる?」

と言われ、接客するも、超気難しいAさんに

(うええ~やりにくい~!!)

と内心悲鳴を上げていた。

ただ、丁寧に丁寧に会話を掘っていくと、

次第にAさんはポツポツと自分の話を

してくれるようになり、

どうやら私は嫌われなかったようで、

その後も指名はされないまでも、

何度かAさんの席につかせてもらえるようになった。

あるとき、Aさんの過去の恋愛の話になった時、

「忘れられない女性ってやっぱりいるもんですか?」

というベタな質問をしたことがある。

Aさんは数秒考えた後、「いるよ。」

と答え、私はその恋愛がどんな風に始まって、

どんな風に終わったのかを聞こうと、

少しずつ話を聞き始めた。

Aさんはその女性とのなれそめから話はじめ、

ドラマティックな展開までを話し、

「…だね。」といきなり会話をストップさせた。

私は(???)となり、

「それで結局お別れして、ってことですか?」

と聞くと、

「いや、今でも一緒にいるよ」

とAさん。

「え、奥様はいらっしゃるんですよね?

 その方じゃなくて」

「うん、そう。」

「まだお付き合いされてるってことですか?」

「うん。別れられなかったから。

結局彼女のために家も買って、毎月25万入れてる。

子供は作らなかったけど、犬は飼ってるよ。

よくキャンピングカーで一緒に旅行に行くんだ」

「えっ!!…それって事実上の一夫多妻というか」

「そうなるのかな…

 彼女とももう25年一緒にいるからね」

私の脳内(ぎええええええええええええ!!!)

…そうなのである。

Aさんは私が初めて会った、

この日本国内でガチで一夫多妻を

実行している唯一の人間なのである。

このヒョロっとした眼鏡の、

金の時計とセカンドバッグがやけに

(その筋なのか…?)という疑問を抱かせる

気難しいオッサンが(その筋ではない)、

女房と愛人を養った上に

夜遊びまでしてお気に入りの女の子を

見つけに来ているのである。

Aさんは結婚していて、奥さんとの間には

子供がいるが、その愛人との間には子供は作らず、

25年間も二つの家に通い続けているのである。

週末やお休みなどは地方にそのキャンピングカーで

愛人と犬を連れて出かけるのが楽しみなんだそうだ。

私はこれを聞いた時に、

マジでマイケルが亡くなったときと同レベル

ぐらいの衝撃を受けたが、

次第にいろんな疑問がわいてきた。

「奥様はご存じないんですか…?それって」

「んー、うちのは何も言わないね、

 知ってるかもしれないけど」

「なるほど…。その方は奥さんのことは…?」

「うん、それはね、知ってる。それで別れる別れないで

 ガス栓ひねったこともあったから、彼女が」

(ぎえええええ修羅場こえてるううう)

「でもその時には、別れなかった…?」

「うん、別れられなかったんだよね。

彼女がってのもあるし、ぼくもそうで…」

「で、落ち着いてからは25年…?」

「うん、25年だね」

正直、現代においてリアル光源氏をやる人間なんぞ

そうそういない。

だいたいみんな誰かを選び、

一方で誰かを切り捨てている。

もうひとつの恋を金で本気で継続させる

なんて選択肢を選ばない。

この時、私はもはやホステスとしての接客

なんぞ忘れ、下衆な芸能レポーターぐらい

根掘り葉掘り質問したのであるが、

その日の出勤が終わって帰り道、

しみじみと思ったことは、

「もしかしてこれが本物の甲斐性かも?」

ということであった。

単純計算で25万×25年だけでも7500万である。

その上家も買っているのだから、

愛人に1億以上は余裕でかけている目算になる。

そして奥さんとの自宅も勿論あるのだから、

この人の経済状況はいったいどうなってんだ!?

脳内大混乱状態である。

「誰も死なせない!!」

とかよくジャンプの主人公が叫んだりしているが、

結局誰かが死んで闇落ちギリギリを

仲間が救う、みたいなパターンがオチである。

マジで、Aさんは有言実行なのである。

いや、不言実行か。

誰も死なせず、全員大事にできているのである。

(経済的な面だけ言えばだが)

不倫の恋に、幸せな未来は来ないのは

大正解だ。Aさんのケースだって、

愛人は自殺未遂をしたぐらい

自分だけを愛してほしかったのだから。

それはかなわなかった。

かなわなかったが、

今現在も愛人はAさんと添い遂げて(?)いる。

不倫なんて長くは続かないよ、

どうせ気持ちが切れて最後は必ず終わるんだから、

火遊びから始まった恋なんて、

という世の中の井戸端会議おばちゃんに聞かせたら

発狂しそうな長続き具合である。

できることなら、私はこの愛人に

根掘り葉掘り聞いてみたかった。

なんでAさんを諦めて、別の人を選ばなかったんですか?

2番目でも、Aさんのそばにいたかったから?

それとも、経済的に安定できるから?

気持ちは変わらないんですか?

と。

____答えはないままである。

受付Tさん

さて、次は私が受付時代に一緒にシフトに入っていた、

主婦のTさんである。

ちょっとエラの張った、脚がきれいな

西山茉希みたいなタイプの彼女は

とっても感じがよく、しっかりしているのに、

ちゃんと弱みを相手に見せられるという

頭がいいタイプで、私はとても好感を持っていた。

たまにミスって、おりょうちゃん!やばい!

とテンパる姿が可愛かったのを覚えている。

彼女は指輪をしていたので、

ナチュラルに結婚したんだろうなあ~

とうらやましく思っていたのだが、

少し仲良くなって話をして私は

マジでたまげたのである。

今の旦那さんとのなれそめを聞いた時だ。

「うーん、あのね、実はずっと、

 日陰の女だったの、旦那は結婚してたから」

「えっ!!それはあのう、不倫ってことですか?」

「うん。そう。ずっとその状態だったんだけど、

 やっと前の奥さんと別れてもらえて」

「なるほど…(あんまり詳しくは聞けねえな…)」

基本的に、既婚者とただ付き合ったり、

寝るだけ、という女は山ほどいるが、

本気で不倫に走る・ハマる女性は、

割とタイプのパターン分けができる。

大体が幸が薄い、年上好き、はかなげなタイプ、

バリキャリよりかは相手にある程度

金銭面も寄りかかりたいタイプが多い。

後は今まで模範囚だったのに、

熱にうなされたように突発的に

おっぱじめてしまうタイプもいるな。笑

Tさんは、そのどのタイプにも当てはまらなかった。

詳しい経緯を聞けなかったので、

状況や登場人物の性格的に

誰が悪いのかとか、問題がありそうなところ

までは聞けていないし、

円満離婚だったかもしれないので、

何とも言えないのだが、

正直Tさんとだけ関わっていれば、

Tさんが悪いようには全く見えなかった。

「誰かを不幸にしても自分が幸せになりたい」

「奥さんを犠牲にしても自分が彼と一緒になりたい」

という人として最低なことをする前に、

自分は身を引く、というタイプのように見えた。

今ではお子さんもいて、

お姑さんにも気を使いながらも

上手くやっている話を聞いては

(はあーなるほどなあ、何があるかわからんな)

と私は思ったもんである。

この時に私が思ったのは、本当のことなんて

当人たちにしかわからないけれど、

第三者的に見たとき、

不倫には例外があるかもしれない、

ということだった。

因果は因果で回らない

さて、2つの珍しいエピソードを

ちょっとだけ紹介したが、

これはかなり特異なケースである。

大体は、因果はきちんと回って、

勧善懲悪、言葉にはしないまでも、

それそのものは不文律を持って動いている。

要は、それぞれの因果の中には

規則性のある法則があって、

その法則がちゃんと伏線を回収してくれている、

ということだ。

重要なのは、我々にはそれを確かめるすべはなく、

ただただ経験値の中で

統計を取り続けるしかないこと、

そこから導き出される不文律が

因果をなすということかもしれない。

でも、それぞれの因果どうしの関係はどうだろうか。

1つの因果が他の因果を動かすことはあるのか?

因果同士の関係なんぞ考え始めたら

マジで宇宙という感じになってしまうが、

ここまでの経験則から、

これに関しては規則性も、

道徳性もないんじゃないか、

とたまに思うのである。

あんな奴、ああなって当然だったのよ、

という人間がひどい目に遭うこともあれば、

めちゃくちゃいい人が思わぬ形で

他人を傷つけることもある、

そんな時、因果同士がもしかしたら

ぶつかって戦った可能性があるかも、と思うのである。

訃報

___と、ここまで書きかけていて、

タイムリーなニュースが飛び込んできた。

私の友人が昔不倫関係にあった男性が急死した、

と連絡が飛び込んできたのである。

元々私の知り合いでもあった男性で、

最初はまさか友人とそういうことになるとは

つゆほども思わず、

「実は…」と友人に明かされた時は

私は明確に反対した。

全く応援はしないし祝福もしない。

と最初に彼女に言い、彼女はそれもわかった上で

突き進むことを決めた。

結局彼女は心底傷つく形になった。

まあ自業自得と言えば自業自得であり、

不倫の一番メジャーなパターンを辿った

と言えるだろう。

20代の一番楽しい時期を不倫で

過ごすのはもったいないなあと思ったが、

だから無理やり辞めさせるとか

引き離そうとすることはしなかった。

周りがどれだけ何を言って、

何をしようとも、

本人たちが変わらない限りは

絶対に変わらないと知っていたからだ。

結局その相手は一人、

自室に酔って帰宅し入眠後、

胃の薬の副作用で血を吐き、

それが喉に詰まったことが原因で亡くなった。

発見されたのは2日後だったそうだ。

最初から修羅の道だと覚悟して

進むことを決めて、結局傷つくというのは、

分からない人からしたら、

そのフライパンは熱いから火傷するよ!

と言われてなお、覚悟して触って火傷する、

みたいなバカバカしい感覚であろうが、

人間というものは本当に不思議なもので、

こういう将来のない・意味のないことに

時として突き進んだりするものである。

それを良しとするかどうかは

もう本当にその人次第だが、

重要なのは、そういう選択をした人たちが

結果どうなって、どう死んでいったか、

そこがみんな気になるところであろう。

私が過去につらい思いをした時の

相手の結果については以下に

リンクを貼っておくわ(何回目だって感じだが)。

昔の男が亡くなった

これを読む皆さんにも人には言えない

過去が1つや2つはあるであろう。

どう死んだとしても、

本人は悔やみようもないが、

こんな風に実体験を聞いて改めようかな、

という気が少しでもある程度なら、

因果は高確率で必ず仕打ちをくれる

と思っていた方がいいかもしれない。

終わり!

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