ぽっぴんばあちゃんの話

じじばばあるある

私は、父方の祖母はもう亡くなってしまっているが、

母方の祖母はいまだに健在である。私のばあちゃんである。

他の家でもそういった事があるのか、

うちの家系だけなのかは分からないが、

親戚の家とか一家を呼ぶとき、屋号というか、

独特のあだ名のようなものをつける事がないだろうか。

うちの家系では、大体が

「○○のおばあちゃん家」とか「○○おじいちゃん」の

「○○」は名前とか場所なのだが、ごく稀に、

昔あった印象的なエピソードからあだ名がつけられる事がある。

(ちなみに以前に父の話の中で出てきた、

大晦日に亡くなった父方のひいばあちゃんは「おっきいばあちゃん」、

父方のばあちゃんの方のひいばあちゃんは、

以前ニワトリをたくさん飼っていたので、

「ニワトリばあちゃん」「コッコばあちゃん」と呼ばれていた。)

Poppin’ 

姉は呼ばないのだが、私は母方のばあちゃんを

「ぽっぴんばあちゃん」と呼んでいた。

というか今でも呼んでいる。

発音はポッピングシャワーのアレとは真逆である。

「ぽっ⤴︎ぴん⤵︎」である。

これはホッピン

何でだっけ、と思って姉に聞いてみたら、

「私が産まれて、おばあちゃんが面倒を見てた頃、

家にあったハト時計がポッポーって出てくるんだけど、

それを見ておばあちゃんが

「ぽっぴーん!」ってハト時計のまねをしてたら、

赤ちゃんだった私がすごい喜んで、

それからずっと「ぽっぴーん!!」

ってハト時計が鳴るたびにおばあちゃんが私に言うから」

とのこと。知らんかったわ。

だからぽっぴんばあちゃんって言うのは私だけらしい。

オオサンショウウオ

ところで、掲題にもある通り、

みなさん薄々お気づきかもしれないが、

ぽっぴんばあちゃんはド天然である。

ただ我々がよく使う、

「あの子天然だよねー!」

というレッテルとしての”天然”のレベルははるかに越えている。

「天然」とかいうよりも、

「レアアース」とか呼ぶほうが近いかもしれない。

もはや資源だ。政府に狙われるぞばあちゃん。

ばあちゃん語録

ぽっぴんばあちゃんはめちゃくちゃ独創性にあふれている。

それを活かしたのかどうかは不明だが、

彼女は書道の腕前がプロ並みにすごい。色んな賞を沢山受賞している。

そして、日常生活での言葉の使い方が非常に謎である。

彼女はとても料理が上手いのだが、

さあ食べよ、というプロモーション的なキャッチコピーをよくつける。

忍たま乱太郎の食堂のおばちゃんの、

「お残しは許しまへんで!!」

というあの感じで色々とこちらに

あれやこれやと食べさせようとしてくるのだが、

謎な発言の1つとして、

「いやーーー、これは栄養100パーだで!!」

というものがある。

栄養満点、という言葉はよく耳にするので、

言いたいことは非常に理解できるし普通にスルーしがちなのだが、

栄養100%…ちょっとまてよ、成分的に栄養素を豊富に含む食品でも、

栄養素のみで構成されたものは果たしてあるのか。

水分とかはどうなる。教えてプロの人。

続いては、

「あんた、それは私が許しても毛細血管が許さんよ!!」

要は好き嫌いをするな、

ということのようだが、お天道様が!とかお上が許さんではなく、

毛細血管が許さないようである。

毛細血管の意思を代弁しているのはなかなか見ない。

最近流行りの『はたらく細胞』を先取りしたのか?

そして何故毛細血管を選んだのだろう。

多分本人にもわからない気がする。

私ももうだいぶん地元から遠ざかっているので、

面白い発言やエピソードを忘れてしまうのだが、

私の姉2人(双子)は頻繁に帰郷しているので、

生い立ちの話参照)

次女(双子の下の姉)に最近のハイライトを送ってもらった。

①先月の帰省で、

ばあちゃんが姉(双子の上の姉、長女)とスーパーに行ったとき、

レジでばあちゃんが小銭を出すのに手間取ってしまい、

それを見てレジの人が舌打ちしそうな勢いで

イライラして態度が悪かったらしい。

会計が終わった姉がこれみよがしに、

「何あの店員、態度悪っ!!」

って聞こえるように言ったら、ばあちゃんが

「しょうがないがね、〇〇ちゃん(長女)。

 ちゃんと働いてる人じゃないからね」

って優しく姉に諭してて、

「それもどうなの…」

と姉は言っていたとのこと。

②またしても先月、ばあちゃんが長女に連れられて、

ネイル店で人生初のマニキュアをしてもらったらしい。

それを長女から聞いて、次女(双子の下の方)が電話で、

「何色に塗ってもらったの?」

って聞いたら、ばあちゃんは

「親指と人差し指がピンクで、親指のとなりが白色。」

と言うので、姉が

「?!?…親指のとなりは人差し指だよ?」

と言うと

「えっ。」

っと返すばあちゃん。

そういう会話が延々と続き、

結局どの指が何色なのか分からなかったらしい。

そして最後、

「小指のとなりは薬指だよ!」

と次女が言ったら、

「…ふーん。」

というリアクション。姉は静かに衝撃を受けたらしい。

③ばあちゃんと次女が長女について話してるとき、

「あの子はちょっとお腹の中が黒いからね~」

と楽しそうに言っていたらしい。

悪意はないのが逆に怖い。

④これは何年か前。

ばあちゃん家ってよくネズミが出てたよね~

という話を次女とばあちゃんがしていたら、ばあちゃんが、

「この前布団を干そうと思って、

掛け布団をめくったら、ネズミがいて、

またか―と思ってつまもうとしたら、

飛んでった。コウモリが布団に入ってたよ~」

と言っていたらしい。

ばあちゃんにはネズミもコウモリも同じ枠なのか。

大きさで決まるのか。宅急便なのか。

⑤ばあちゃんあるあるとして、

待ち合わせ場所(羽田空港とか)にばあちゃんがついたとき、

姉(次女)に電話をくれるのだが、

「おばあちゃん今届いたよ」

と自分を荷物みたいに言うらしい。

これはちょっとかわいい。

生い立ちや母の過去を知って、

色々な思いがあることは事実だが、

ばあちゃんのことを愛しているのも事実である。

長生きしてまた不思議なエピソードを作って欲しいと

私は願うばかりである。

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